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2008年4月24日 (木)

いまさらながら「大日本人」みた

松本人志監督作品、第一弾のアレですな。第二弾があるかはしらないけど。

レビューサイトで酷評されてる作品ですが、私はダウンタウンと彼を囲むスタッフのコント作品が大好きなので楽しめると思って鑑賞させていただきました。

一通り観て、なぜ酷評されたかわかった気がします。

どこの感想を聞いても、ラストに監督が用意した「裏切り」がどうしても許せないというような記述がありますが、そのとおりですね。コレはない。

「裏切り」の内容は、映画を通しての世界観が根底から覆るようなもの。この「裏切り」をされた観客は「ふざけんな!」「金返せ!」「映画をこれまで観てきた時間を返せ!!」といった怒りが心をよぎるのも無理がないです。私もそうです。

でも、そこまで熱い怒りがよぎるのは映画を(少なくともそこまでのストーリーの経過を)楽しんできたからだこそだとも思うのです。だからこそ、この映画、おしいなぁと。

ここで映画のストーリーを紹介しましょうか。

映画は、主人公、「大佐藤」をおうドキュメントじたての内容だ。この男は、ごく普通の中年のようだが、一風変わった職業をもっている。彼の仕事は、親の代から続くもので「侵略してくる謎の巨大生命体から日本を守る」というもの。

謎の敵は「獣」とよばれるもので、定期的に日本のどこかに攻撃をしかけてくるのだ。いわゆるウルトラマンの設定に近い。だが、ウルトラマンと大佐藤との決定的な違いは、彼が決して民衆からヒーロー扱いされていないというところだ。むしろ、やっかいもの扱いだ。

彼をとりまく環境は、徹底して孤独。以前、結婚もしていたようだが、現在は離婚して猫と同居の寂しい一人住まい。定期的に別れた妻と一人娘に面会しているのが、元妻は冷めた感じで、愛情のかけらもない。

そんな不幸な彼の前に、以前惨敗を喫した凶暴な「獣」が再び現れる。なんとか勝利して自らのアイデンティティを取り戻すことができるのか?といった内容だ。

物語が始まった当初は、たっぷりとした間で展開される「大佐藤」の生活環境が淡々と描かれる。観客には少々退屈な印象を与えることだろう。だが、物語が進むごとに彼をとりまく環境そのものがコメディになってくるのだ。彼の不幸が笑いになってくるのだ。最初は退屈な内容でも、「大佐藤」を徐々に知るごとに彼にどんどん興味が引かれていくのだ。そして物語中盤に現れる強敵の「獣」。観客はその「獣」に勝つことこそが作品最大のカタルシスだと直感で感じる。だがお笑い作品としてそのままでは終われない。日本最高のコメディアン、ダウンタウン松本と彼をとりまくブレインたちのプライドとしては、そのままでは終われなかったんだろう。

結果、ものすごい裏切りを展開してしまう。それは確かに予想外のもので、観客は最初にド肝を抜かれることになる。ここまでは製作陣の思うツボだろう。

だが、その後がないのだ。ド肝を抜かれた観客は徐々に怒りが湧き上がってくるのに、ほったらかし。スタッフロールの下で展開される、キャラクター達の戦闘中に関するダメ出しは、関西系のコントでも既出も既出、ベッタベタの展開。見飽きたコントの風景なのだ。

ここまで大きな裏切りをしたのだから、さらなる大きな裏切りが欲しかった。そこで観客のカタルシスを満たしてくれれば、この作品は不朽の名作となっただろうに・・・。

裏切りを用意したかった監督の気持ちもわかるんだが、エンターティーメントとしては失格だ。失敗したオナニーのように後味の悪いもの。

とはいえ、作品のレベルは高いと思う。結構オモシロイ。北野武監督も言ってるように、映画を撮り続けてほしいな。

次回策は、観客の意表をつくよりエンターティーメントを前提にした作品を仕上げてほしいなぁ。

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投稿: みんな の プロフィール | 2008年5月 5日 (月) 18時35分

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